営業リストの作り方|公開情報で作る5ステップと10項目テンプレート
営業リストの作り方は、「ターゲット条件を決める→公開情報源から企業を集める→列(項目)をそろえて入力する→重複と表記ゆれを整理する→最終確認日を付けて更新する」の5ステップです。用意するものはGoogleスプレッドシートかExcel、自社のターゲット条件のメモ、そして国税庁法人番号公表サイトやgBizINFOといった誰でも使える公的な検索サイトだけです。名簿の購入や、メールアドレスの推測・自動収集は必要ありません。この記事では、各ステップの具体的な操作と、そのままコピーして使える営業リストの項目テンプレートを紹介します。すぐに使いたい場合は、営業リストのテンプレート(Excel)をダウンロードしてください。10項目の列と架空の例3行、除外リスト、重複チェックの数式が入っています。
営業リストの作り方の全体像(5ステップ)
営業リスト作成の目的は、企業名と電話番号を大量に並べることではなく、「なぜこの会社に連絡するのか」を説明できる企業だけを、出典付きでそろえることです。出典が残っていれば、誰が見ても同じ判断ができ、古くなった情報もすぐに見直せます。

| ステップ | やること | 使うもの | 完了の目安 |
|---|---|---|---|
| 1. 条件を決める | 業種・地域・規模など、リストに入れる条件と入れない条件を書き出す | 自社の取引実績メモ | 条件が事実で確認できる言葉になっている |
| 2. 企業を集める | 公的な検索サイトと企業の公式サイトから候補を探す | 国税庁法人番号公表サイト、gBizINFO、公式サイト | 候補ごとに法人番号と公式サイトURLが分かる |
| 3. 項目をそろえる | 決めた列に沿って1社1行で入力する | 項目テンプレート(後述) | 必須列に空欄がない |
| 4. 重複を整理する | 表記ゆれを直し、法人番号で重複を消し、除外リストと照合する | 表計算の関数、除外リスト | 同じ会社が2行以上ない |
| 5. 更新する | 最終確認日を付け、接触前と定期的に情報を見直す | 最終確認日の列 | 古い行がひと目で分かる |
最初に開くべきなのは、国税庁の法人番号公表サイトです。商号(会社名)や所在地から法人番号を調べられ、同じ名前の別会社を見分けるための土台になります。
ステップ1:リストの目的とターゲット条件を決める
このステップでは、どんな会社をリストに入れるのかを、外から確認できる事実の言葉で書き出します。

まず、これまでに取引が続いている顧客を数社選び、共通点を表計算シートに書き出します。見るのは業種、本社の地域、従業員規模、公式サイトに書かれている事業内容、求人の有無などです。次に、条件を「必須条件(満たさなければリストに入れない)」と「優先条件(満たしていれば先に連絡する)」の2つに分けます。
【条件メモの書き方(架空の例)】 必須条件 ・本社が関東の1都3県にある ・公式サイトに問い合わせフォームまたは代表窓口が載っている ・製造業である 優先条件 ・公式サイトの採用ページで生産管理の職種を募集している ・事業紹介ページで品質管理の課題に触れている
よくある失敗は、「成長意欲が高い会社」「ITに前向きな会社」のような、外から確かめられない言葉で条件を書いてしまうことです。公式サイトや求人ページに書かれているかどうかで判断できる言葉に置き換えると、担当者が変わっても同じ基準で選べます。
ステップ2:公開情報源から企業を集める
このステップでは、ステップ1の条件に合う企業を、公的な検索サイトと企業の公式サイトから探します。

| 情報源 | 分かること | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| 国税庁法人番号公表サイト | 正式な商号、本店所在地、法人番号 | 会社名で検索し、同名の別会社がないか所在地で確認する |
| gBizINFO(経済産業省) | 法人の基本情報、届出・認定、補助金や表彰などの公開情報 | 地域や業種の手がかりから候補を探し、法人番号で照合する |
| 企業の公式サイト | 事業内容、問い合わせ窓口、採用情報、拠点 | 会社概要と問い合わせページのURLを控える |
| 業界団体の会員一覧 | 業界ごとの会員企業名 | 会員名から公式サイトをたどる |
| 自治体・商工団体の公開名簿 | 地域の事業者名 | 掲載の目的と利用条件を確認してから使う |
集めるときは、公的な情報から先に確認します。まず法人番号公表サイトで正式な商号と所在地を確かめ、そのあと公式サイトで事業内容と問い合わせ窓口を確認します。同じ名前の会社は珍しくないため、13桁の法人番号を「1社を見分けるための番号」として必ず控えておきます。
集めるのはあくまで会社として公開している情報です。社員個人の私的な連絡先や、ログインが必要なページ、有料の会員ページの中身はリストに入れません。リード獲得の全体の流れはリードジェネレーションの実践手順で整理しています。
ステップ3:営業リストの項目(列)を決めて入力する
このステップでは、集めた情報を1社1行で入力します。列をあらかじめ決めておくと、人によって書き方が変わるのを防げます。以下は、そのままスプレッドシートの1行目にコピーして使える項目テンプレートです。同じ列を用意した営業リストのテンプレート(Excel)も使えます。A〜J列が下の10項目、K〜N列が会社名の表記統一・URLの正規化・法人番号の件数・除外リスト照合の数式で、使い方シートに数式をそのまま載せています。

| 列 | 項目名 | 入力内容 | 入力例(架空) |
|---|---|---|---|
| A | 会社名 | 法人番号公表サイトの正式な商号 | 株式会社サンプル精工 |
| B | 法人番号 | 13桁の番号(重複チェックのキー) | 1234567890123 |
| C | 所在地 | 本店所在地の都道府県・市区町村 | 埼玉県さいたま市 |
| D | 業種 | ステップ1で決めた業種分類 | 金属部品製造 |
| E | 従業員規模 | 公式サイトや求人に載っている範囲 | 50〜99人 |
| F | 公式サイト | トップページのURL | https://example.co.jp/ |
| G | 問い合わせ窓口 | 問い合わせフォームのURLまたは代表電話 | https://example.co.jp/contact/ |
| H | 出典URL | 条件に合うと判断した根拠が載っているページ | https://example.co.jp/recruit/ |
| I | 最終確認日 | 情報を最後に確認した日付 | 2026/10/30 |
| J | メモ | 判断の理由、注意点、営業お断りの記載の有無など | 採用ページで生産管理職を募集中 |
入力のコツは3つあります。1つ目は、H列の出典URLを必ず埋めることです。「なぜこの会社なのか」を後から確認でき、連絡するときの話の切り口にもなります。2つ目は、I列の最終確認日を空欄にしないことです。3つ目は、J列に「営業目的の連絡お断り」といった記載があったかどうかを書いておくことです。そうした記載がある会社は連絡先から外します。
条件を書いた列や優先度の列を足したい場合は、J列の右に自由に追加してください。顧客管理の仕組みに移す予定があるなら、中小企業向けCRMの選び方も参考になります。
公開情報から候補を探して出典を控える作業に時間がかかるなら、Orova Botが役立ちます。探したい顧客を1文で書くと、公開されている情報源から企業を探し、あなたが決めた条件に合うかをAIが原文の引用と出典URL付きで判定します。
ステップ4:重複と表記ゆれを整理し、除外リストと照合する
このステップでは、同じ会社が2行以上入っていないか、連絡してはいけない会社が混ざっていないかを確認します。

重複が起きる主な原因は表記ゆれです。「株式会社」と「(株)」、全角と半角、URL末尾のスラッシュの有無、電話番号のハイフンなどで、同じ会社が別の行として残ってしまいます。次の順番で整理すると漏れが減ります。
【重複整理の手順】 1. 会社名の「(株)」「㈱」を「株式会社」に統一する 2. URLや電話番号の全角英数字を半角にそろえる(ExcelはASC関数。カタカナも半角になるため会社名には使わない) 3. URLから「https://」「www.」と末尾のスラッシュを外した列を作る 4. 法人番号の列で重複を確認し(COUNTIF関数で同じ番号の行数を数える)、同じ番号の行を1つにまとめる 5. 除外リスト(既存顧客・商談中・連絡を断られた会社)と法人番号で照合し、該当行を外す

除外リストは、既存顧客、商談中の会社、以前に連絡を断られた会社、問い合わせ窓口に営業お断りと書かれている会社をまとめた1枚のシートです。リストを作るたびに個人のファイルで管理すると、別の担当者が同じ会社に連絡してしまいます。チームで1つの除外リストを共有し、新しいリストを作るたびに照合する運用にしてください。
Excelの「重複の削除」機能だけで済ませると、表記ゆれのある行は残ってしまいます。表記をそろえてから法人番号で照合する、という順番が大切です。
ステップ5:最終確認日を付けて定期的に更新する
このステップでは、作った営業リストを古くしないための運用を決めます。会社の移転、社名変更、問い合わせフォームの変更、事業の終了は日々起きています。
| 見直すタイミング | 確認すること | 更新する列 |
|---|---|---|
| 連絡する直前 | 公式サイトが表示されるか、問い合わせ窓口が変わっていないか | G列、I列 |
| 連絡を断られたとき | その会社を除外リストへ移す | 除外リスト、J列 |
| 返信やエラーがあったとき | 窓口の変更や移転がないか | C列、G列、I列 |
| 定期見直し(自社で頻度を決める) | 最終確認日が古い行から順に確認する | 全列 |
法人番号公表サイトでは、商号や所在地の変更履歴も確認できます。最終確認日の列で並べ替えると、古い行から順に見直せます。営業活動全体の進め方は新規開拓営業のやり方で解説しています。
営業リストの作り方でやってはいけないこと
営業リストを早く大きくしようとして、法律や相手との信頼関係を損なう方法を選ぶと、リストそのものが使えなくなります。

| やってはいけないこと | 理由 | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 出所の分からない名簿を購入して使う | 取得の経緯が確認できず、古い情報や個人の情報が混ざるおそれがある | 公的な検索サイトと公式サイトから自社で集める |
| 名前からメールアドレスを推測する、ツールで大量に抜き出す | 本人や会社が公開していない連絡先を扱うことになる | 会社が公開している問い合わせ窓口を使う |
| 承諾のない相手に広告メールを一斉送信する | 特定電子メール法は、原則として事前の同意(オプトイン)を求めている | 問い合わせフォームや代表窓口から個別に連絡する |
| 社員個人の情報をリストに入れる | 個人情報保護法に沿った取り扱いが必要になる | 会社として公開している窓口情報に限る |
個人情報保護法や特定電子メール法の具体的な扱いは、個人情報保護委員会や総務省が公開している資料で確認し、迷う場合は社内の法務担当に相談してください。
Orova Botで営業リストを作成する手順
ステップ2とステップ3の「探して、確かめて、出典を控える」作業は、件数が増えるほど時間がかかります。Orova Botは、探したい顧客を1文で書くと、公開されている情報源から企業を探し、あなたが決めた条件に合うかをAIが判定して、根拠となる原文の引用と出典URLを1行ずつ残すツールです。

- 「Describe」の欄に、探したい顧客を1文で書いて「Analyze」を押します(例:埼玉県で生産管理職を募集している金属部品メーカー)。
- 「Criteria」で、自動で確認する条件(電話番号がある、公式サイトがある、など)と、AIが判定する条件を確認します。AIの条件はそれぞれ「Required」(必須)か「Bonus」(優先)に分けられ、「+ Add condition」で追加、文言の修正もできます。
- 「Save」で保存し、「Run bot」で実行します。
- 見つかった企業は一覧に1社1行で並び、会社名、国、連絡先、公式SNS、AIの判定結果が表示されます。「Has email」「AI qualified」などで絞り込めます。
- 判定ごとに原文の引用と出典URLが付くので、この記事の出典URL列とメモ列の役割をそのまま果たします。ExcelやCSVで書き出すことも、メールアドレスのある企業をOrova Connectの連絡先に追加することもできます。

Orova Botが集めるのは、企業が自ら公開している情報だけです。ログインが必要なページや有料の会員ページの中身は扱いません。連絡を断られた会社のメールアドレスや電話番号、ドメインは、削除とブロックの機能を使っておけば、次回以降の実行で再びリストに入りません。
条件に合う企業を出典付きの1社1行で残したいなら、Orova Botを試してください。結果はExcelやCSVで書き出せ、メールアドレスのある企業はOrova Connectの連絡先に追加できます。
営業リスト作成のチェックリスト
作成した営業リストを使い始める前に、次の項目を確認してください。

| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 条件が事実で確認できる言葉になっている | 条件メモに主観的な言葉が残っていないか読み返す |
| 全行に法人番号がある | B列で空欄を絞り込む |
| 全行に出典URLがある | H列で空欄を絞り込む |
| 同じ会社が2行以上ない | 法人番号で重複を確認する |
| 除外リストと照合した | 既存顧客・商談中・お断り先が残っていないか確認する |
| 営業お断りの記載を確認した | J列に記載の有無が書かれている |
| 最終確認日が入っている | I列で空欄と古い日付を並べ替えて確認する |
営業リスト作成の今後のトレンド:筆者の視点
営業リストの作り方は、ここ数年で「量を集める」から「理由を残す」へと重心が移ってきたと私は感じています。今後について、3つの見方を共有します。
第一に、購入した名簿をそのまま使うやり方は、ますます選ばれにくくなると私は考えています。受け手の企業が営業連絡の選別を強めるなかで、相手が自ら公開している情報と連絡の理由が結びついていないと、話を聞いてもらうこと自体が難しくなっているからです。
第二に、AIで候補を探す使い方は広がる一方で、根拠を示せない判定は現場に定着しにくいと見ています。「どのページのどの文を見て判断したのか」が確認できる仕組みのほうが、営業担当者も安心して使えるはずです。
第三に、営業リストは「一度作って終わり」ではなく、最終確認日を持った台帳として育てていくものになると思います。今すぐ準備できるのは、自社の条件を事実の言葉で書き出し、出典URLと最終確認日の列を今日のリストに足しておくことです。
営業リストの作り方についてのよくある質問
営業リストは無料で作成できますか?
国税庁法人番号公表サイトやgBizINFO、企業の公式サイト、業界団体の会員一覧など、無料で使える公開情報だけで作成できます。その代わり、候補を探して確認する作業に時間がかかるため、条件を絞ってから集め始めるのが現実的です。
営業リストにはどんな項目が必要ですか?
最低限、会社名、法人番号、所在地、業種、従業員規模、公式サイト、問い合わせ窓口、出典URL、最終確認日、メモの10項目があれば運用できます。法人番号は重複チェックに、出典URLと最終確認日は情報の確かさの確認に使います。
営業リストの作成にExcelとスプレッドシートのどちらが向いていますか?
1人で管理するならどちらでも構いません。チームで同じリストと除外リストを共有するなら、同時に編集できるスプレッドシートのほうが扱いやすい場面が多いです。
作った営業リストに営業メールを送ってもよいですか?
特定電子メール法では、広告や宣伝のメールは原則として事前の同意が必要です。公開されているアドレスだからといって一斉送信してよいわけではないため、問い合わせフォームなどから個別に連絡し、扱いに迷う場合は総務省の公開資料や社内の法務担当で確認してください。
営業リストはどのくらいの頻度で更新すべきですか?
決まった正解はありません。少なくとも連絡する直前には公式サイトと窓口を確認し、それとは別に、自社で見直しの頻度を決めて最終確認日の古い行から順に更新してください。
営業リスト作成は今何から始めるべきか?
いまの状況に近いものを1つ選び、今日のうちに手を動かしてください。
- 条件がまだ決まっていない場合
取引が続いている顧客を数社選び、公式サイトを見ながら共通点を書き出してください。それを必須条件と優先条件に分ければ、ステップ1は完了です。
- リストはあるが情報が古い・重複が多い場合
手元のリストに法人番号、出典URL、最終確認日の3列を足し、法人番号で重複を整理してください。法人番号が見つからない会社は、法人番号公表サイトで商号と所在地を確認します。
- 探して確かめる作業の時間を減らしたい場合
まず除外リストを1枚のシートにまとめてください。そのうえで、条件を1文に書き、出典付きで候補を集めるツールの利用を検討すると、リスト作りの手間を減らしながら根拠のあるリストを保てます。
出典と最終確認日が残っている営業リストは、作った人以外も安心して使える営業の資産になります。