小規模事業者がGoogle広告を始める方法:店舗・予約型はビジネスプロフィールと商圏設定から
小規模事業者がGoogle広告を始める方法は、店舗や予約制のサービスなら「Googleビジネスプロフィールを整える→広告とリンクする→商圏と営業時間に絞る→電話と予約を成果として数える」の順で進めるのが近道です。この記事では、美容室・整体院・飲食店・地域の修理業など、お客様が近所から来店または電話してくる事業を想定し、検索広告に住所と電話ボタンを載せて始めるまでを7つのステップで解説します。
アカウントの作り方や入札・キーワードの細かな理論は他の入門記事でも扱われているため、ここでは「地図に出る店」として広告を始めるために必要な設定に絞ります。全国配送のネットショップや、オンラインだけで完結するサービスは本稿の対象外です。
小規模事業者がGoogle広告を始める方法の全体像:店舗型は「住所と電話が出る広告」から
近所のお店を探す人は、スマートフォンで「地域名+業種」や「近く+サービス名」を検索し、その場で場所を確かめたり電話をかけたりします。Google広告ヘルプ「住所アセットについて」によると、住所アセットを設定すると、店舗付近のユーザーが検索した際にモバイルでは店舗までの距離と市区町村、パソコンでは店舗の住所、クリックできる[電話]ボタン、営業時間や写真、ルートなどをまとめた詳細ページへのリンクが表示されるようになります。

近隣の同業者が実際にどのような検索広告を出しているかは、Google広告透明性センターで地域を日本にして広告主名を検索すると確認できます。始める前に数件見ておくと、自店の広告で何を伝えるべきかが見えてきます。
つまり店舗型の小規模事業者にとって、Google広告は「検索結果の上に、地図情報つきの自店の案内を出す仕組み」として始めるのが分かりやすい使い方です。そのため最初の作業は広告の管理画面ではなく、店舗情報の元データであるGoogleビジネスプロフィールの確認になります。
始める前に準備するもの
| 準備するもの | なぜ必要か | 確認するポイント |
|---|---|---|
| Googleビジネスプロフィール | 住所アセットの店舗情報の元データになる | オーナー確認が済んでいるか、自分が管理者か |
| 店舗の電話番号 | 電話番号アセットと住所アセットで使う | 実際にお店で使っている番号か |
| 営業時間と定休日 | 広告と電話番号の表示時間をそろえる | ビジネスプロフィールの営業時間と一致しているか |
| 予約ページまたは問い合わせページ | 広告のリンク先と成果の計測に使う | スマートフォンで予約まで進めるか |
| Google広告アカウントと支払い方法 | 広告の配信に必要 | 事業の名義と支払い情報がそろっているか |
アカウント開設時にGoogleから広告主の適格性確認を求められた場合は、管理画面の案内に沿って手続きを済ませてから配信を始めてください。
ステップ1:Googleビジネスプロフィールの情報を整える
Google広告ヘルプによると、Google広告で使われる住所アセットのデータはGoogleマップとGoogleビジネスプロフィールから直接取得されます。広告に出る住所・電話番号・営業時間は、ビジネスプロフィール側の情報がそのまま使われると考えてください。
- Googleマップで自店の名前を検索し、すでにビジネスプロフィールが表示されるかを確認します。
- 表示される場合は、新しく作り直さずにオーナー確認の手続きを進めます。同ヘルプでも、オーナー確認には時間がかかるため、既存のプロフィールがある場合は新たに設定しないよう案内されています。
- 住所、電話番号、営業時間、定休日、カテゴリ、写真を最新の状態にします。
- 臨時休業の予定がある場合は、ビジネスプロフィールで休業のマークを付けます。ヘルプによると、臨時休業または閉業のマークを付けた店舗の住所アセットは広告に表示されません。
完了の目安は、Googleマップで自店を開いたときに、営業時間と電話番号が今の状態と一致していることです。
ステップ2:Google広告アカウントにビジネスプロフィールをリンクする
次に、Google広告アカウントとビジネスプロフィールをつなぎ、住所アセットとして使えるようにします。ヘルプの手順は次の通りです。

- [ツール]メニューの[共有ライブラリ]にある[ロケーションマネージャー]に移動します。
- プラスボタンを選び、[所有する店舗]を選択して[続行]を押します。
- [アカウントに適した地域を選択]の画面で[Googleビジネスプロフィール]を選びます。
- 自分が管理しているビジネスプロフィールマネージャーのアカウントをプルダウンから選び、[続行]を押します。
- 必要に応じてビジネス名で絞り込み、[保存]を選択します。

ビジネスプロフィールを家族や別の担当者のメールアドレスで管理している場合は、同じ画面で[別のビジネスプロフィールマネージャーアカウントへのアクセス権をリクエストしてください]を選び、そのメールアドレス宛てにリクエストを送ります。承認されると、そのアカウントの店舗情報が住所アセットに使われます。
同じ画面のオプションでは、通話レポートを有効にできます。ヘルプでも推奨される設定とされており、ステップ7で電話を成果として数えるために、ここでオンにしておきましょう。
ステップ3:商圏を半径または市区町村で指定する
広告を出す範囲は、実際にお客様が来られる「商圏」に合わせます。キャンペーンを作成するときは、キャンペーンタイプに「検索」を選び、設定画面の[地域]で範囲を指定します。

Google広告ヘルプ「広告の対象地域を設定する」によると、半径を指定したターゲット設定では、ビジネス拠点から一定の距離にいる顧客に広告を表示でき、指定した地点を中心に1km以上の半径を設定する必要があります。また、小さい半径や極端に狭い地域を指定すると、広告が表示されにくくなったり、まったく表示されなくなったりする場合があると説明されています。
| 事業のかたち | 指定しやすい範囲 | 注意点 |
|---|---|---|
| 来店型(美容室・整体院・飲食店など) | 店舗を中心とした半径 | 狭くしすぎると表示が少なくなる |
| 出張型(修理・清掃・リフォームなど) | 訪問できる市区町村を個別に追加 | 対応しない地域を含めない |
| 来店と出張の両方 | 半径と市区町村の組み合わせ | 地図のプレビューで重なりを確認する |
地域のオプションには、対象地域にいるユーザーに加えてその地域に関心を示したユーザーにも届く「所在地やインタレスト」と、対象地域にいるユーザーだけに絞る「所在地」があります。ヘルプでは検索キャンペーンには広範な設定が推奨される一方で、特定の地域にいるユーザーのみを対象とする場合は「所在地」の使用を検討するよう案内されています。来店してもらうことが前提のお店なら「所在地」を、旅行者や引っ越し予定者など遠方から下調べする人も迎えたいお店なら「所在地やインタレスト」を選ぶ、という考え方で判断してください。
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ステップ4:営業時間に合わせて広告のスケジュールを設定する
Google広告ヘルプによると、キャンペーンのスケジュールは初期設定では[終日]になっており、広告のスケジュールを使うと、問い合わせに対応できる特定の曜日や営業時間内だけに広告を表示できます。

- キャンペーンの[設定]を開き、[広告のスケジュール]を選びます。
- ビジネスプロフィールに登録した営業時間に合わせて、曜日と時間帯を追加します。
- 定休日の曜日は追加しません。
- 電話予約が多いお店は、受付終了時刻を営業終了より早めに設定すると、出られない電話を減らせます。
なお同ヘルプによると、広告のスケジュールを使う場合、1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍になるようにペースが調整されます。配信する曜日を減らしても月の費用の上限が自動で下がるわけではないため、予算は月にかけられる金額から考えておきましょう。
ステップ5:電話番号アセットで予約の電話を受けられるようにする
美容室や整体院のように電話で予約を受けるお店では、電話番号アセットが中心になります。Google広告ヘルプ「電話番号アセットについて」によると、電話番号アセットを付けると、通話可能なデバイスではレスポンシブ検索広告の下に通話ボタンが表示されます。

- [キャンペーン]メニューの[アセット]に移動し、プラスアイコンから[電話]を選びます。
- 追加先を[アカウント][キャンペーン][広告グループ]から選び、店舗の電話番号を入力します。
- 通話レポートがまだ有効でなければ、ここで有効にします。
- コンバージョンをカウントする設定を選ぶと、「広告経由の通話数」という通話コンバージョンが自動で作成されます。
- [詳細設定]で、電話に出られる曜日と時間帯にだけ電話番号を表示するように設定します。
押さえておきたい点が3つあります。まず、ヘルプでは広告文の中に電話番号を書くと広告が不承認になる可能性があるとされているため、番号は電話番号アセットで追加します。次に、通話ボタンのクリックには広告見出しのクリックと同じ費用が発生します。最後に、電話番号アセットはすべての表示で出るわけではなく、表示するかどうかは広告オークションのたびにアルゴリズムが決めるため、一部の表示でしか出なくても異常ではありません。
| 業種の例 | 主に使うアセット | 広告のリンク先 |
|---|---|---|
| 美容室・ネイルサロン | 電話番号アセット+住所アセット | メニューと空き状況が分かる予約ページ |
| 整体院・鍼灸院 | 電話番号アセット+住所アセット | 初めての方向けの案内と予約ページ |
| 飲食店 | 住所アセット(ルート・営業時間) | メニューと席の予約ページ |
| 地域の修理・清掃業 | 電話番号アセット | 対応エリアと見積もり依頼ページ |
ステップ6:「地域名+業種」でキーワードと広告文をそろえる
店舗型の広告では、キーワードと広告文の両方に「どこの」「何の店か」が入っていると、検索した人が自分向けの広告だと判断しやすくなります。

- キーワードの軸:駅名・町名・市区町村名に業種やメニュー名を組み合わせた語句(例:「〇〇駅 美容室」「〇〇市 整体 予約」)
- 見出しの軸:地域名、業種、予約方法(電話・ネット)、営業時間の特徴(駅から近い、夜まで営業など、事実として言えること)
- リンク先の軸:広告で触れたメニューや予約方法が、ページを開いてすぐに見える位置にあること
広告文には、根拠を示せない「地域一番」「必ず治る」のような表現は使わず、店の事実(場所、営業時間、予約方法、扱うメニュー)を書くのが安全です。見込み客を集める導線全体を見直したい場合は、リードジェネレーションの進め方もあわせて確認しておくと、予約ページの改善点が見つけやすくなります。
ステップ7:通話と予約を成果として数える
店舗型の事業では、成果は「電話がかかってきた」「予約が入った」「来店した」の3つに分かれます。どれを数えるのかを先に決めておかないと、広告の良し悪しを判断できません。
| 数えたい成果 | Google広告での数え方 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 広告からの電話 | 通話レポートを有効にし、「広告経由の通話数」をコンバージョンとしてカウントする | 通話レポートとコンバージョン一覧 |
| ネット予約 | 予約完了ページの表示などをコンバージョンとして設定する | コンバージョン一覧 |
| 来店 | 住所アセットを設定したうえで、来店コンバージョンの利用資格を満たせば自動的に有効になる | コンバージョン一覧 |
住所アセットのヘルプによると、来店コンバージョンは広告が実店舗への来店につながったかどうかをトラッキングする機能で、アカウントが特定の利用資格要件を満たすと自動的に有効になります。始めたばかりの小さなアカウントでは、まず「電話」と「ネット予約」の2つを確実に数えることから始めましょう。週ごとの通話数や予約数を手元で並べたい場合は、エクセルでダッシュボードを作る方法を参考に簡単な集計表を作っておくと、店の売上と照らし合わせやすくなります。
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配信開始後に見る3つの場所
配信を始めたら、毎日管理画面を開く必要はありません。週に1回、次の3か所を確認するだけでも、商圏の広告として機能しているかどうかが分かります。
| 確認する場所 | 何を見るか | 見つかったときの対応 |
|---|---|---|
| 地域の掲載結果 | 商圏の外からクリックが来ていないか | 対象地域や地域のオプションを見直す |
| 通話レポート | 電話が営業時間内に来ているか、出られなかった電話がないか | 電話番号アセットの表示時間を見直す |
| 検索語句 | 求人探しや無関係な語句で表示されていないか | 該当する語句を除外キーワードに追加する |
数字は感覚ではなく記録に基づいて判断することが大切です。日々の判断を数字で行う考え方はデータドリブンな意思決定の記事でも詳しく紹介しています。
今後数年間の店舗型Google広告のトレンド:筆者の見解
ここからは、これまでの内容を踏まえた私なりの見解です。
広告と地図情報の結びつきは、さらに強くなると考えます 住所アセットのデータはGoogleマップとビジネスプロフィールから取得される仕組みになっています。私は、店舗型の小規模事業者にとって「広告の設定」と「ビジネスプロフィールの手入れ」は今後ますます切り離せない作業になると考えています。営業時間や写真を放置したまま広告だけ出す運用は、お客様に古い情報を見せてしまうおそれがあります。
電話は、引き続き小さなお店の大事な入口であり続けると思います ネット予約が広がっても、美容室や整体院、修理業では「電話で空きを聞きたい」というお客様が残ると私は見ています。通話ボタンと通話レポートを最初から整えておくことは、規模の小さいお店ほど意味があると考えます。
店主にしか書けない「事実」が差になると考えます 入札や配信の判断は自動化が進んでいますが、駅からの道順、得意なメニュー、予約の取りやすい時間帯といった店の事実を一番よく知っているのは店主自身です。私は、こうした事実を広告文とリンク先のページに正確に書けるかどうかが、小さなお店の広告の差になっていくと考えています。
小規模事業者がGoogle広告を始める方法についてのよくある質問
Googleビジネスプロフィールがなくても広告は始められますか?
検索広告そのものはビジネスプロフィールがなくても作成できます。ただし、住所アセットを店舗所有の形で使う場合、位置情報のソースとしてGoogleビジネスプロフィールなどをリンクする必要があります。店舗型の事業なら、先にプロフィールを整えておくのがおすすめです。
広告文に電話番号を書いてもよいですか?
Google広告ヘルプでは、広告文に電話番号を記載すると広告が不承認となる可能性があるとされ、既存の広告に電話番号を追加するなら電話番号アセットが最も簡単な方法と案内されています。電話番号は電話番号アセットで追加しましょう。
半径はどのくらいに設定すればよいですか?
一律の正解はありません。Google広告の仕様では半径は1km以上が必要で、狭すぎると広告が表示されにくくなる場合があります。実際にお客様が来ている範囲を基準に設定し、地域の掲載結果を見ながら調整してください。
臨時休業の日に広告はどうなりますか?
ビジネスプロフィールで臨時休業のマークを付けると、その店舗の住所アセットは広告に表示されなくなります。ヘルプで説明されているのは住所アセットが表示されなくなることなので、休業日が決まっている場合は広告のスケジュールも合わせて見直しておくと安心です。
代理店に頼まず自分で運用できますか?
本稿のように検索広告と住所・電話番号アセットに絞れば、店主が自分で設定と週1回の確認を行うことは十分に現実的です。設定項目を増やしすぎず、商圏・営業時間・電話の3点から始めることが続けるコツです。
まず今日やること
ビジネスプロフィールをまだ確認していない場合は、Googleマップで自店を検索し、営業時間と電話番号が正しいかを確かめるところから始めてください。広告の管理画面を開くのはその後で構いません。
プロフィールが整っている場合は、Google広告のロケーションマネージャーからプロフィールをリンクし、通話レポートを有効にしたうえで、商圏と営業時間に絞った検索キャンペーンを1つ作りましょう。小規模事業者がGoogle広告を始める方法として、まずは「住所と電話が正しく出る広告」を1本動かすことが、いちばん確実な第一歩です。