求人票の書き方とポイントを7ステップで解説|必須項目の記入例と選考基準への連動
求人票の書き方とポイントは、「法律で示すべき労働条件を漏れなく書くこと」と「求職者が入社後の仕事を具体的に想像できる言葉で書くこと」の二つに集約されます。本記事では、職種名・仕事内容・応募資格・給与・勤務時間・勤務地などの基本項目の書き方を一覧で示したうえで、現場ヒアリングから公開前チェックまでを7つのステップで解説します。最後に、求人票の要件をそのまま書類選考と面接の基準に落とし込む方法も紹介します。準備するものは現場のヒアリングメモと就業規則・賃金規程の最新版です。
求人票テンプレートをファイルでダウンロード: Word形式の求人票テンプレートはこちらから入手できます:https://orova.vn/downloads/templates/job-posting-template-ja.docx。ファイルは5ページ構成で、1〜2ページ目が基本項目11ブロックの記入用テンプレート([角括弧]内は書き方のヒント)、3ページ目が法人営業の記入例(仮定の例、固定残業代の検算つき)、4ページ目が選考基準マトリクスの記入例と記入用の表、5ページ目が公開前チェックリスト14項目です。給与欄は基本給・手当・固定残業代の時間数と超過分を分けて書く形になっています。Word、Googleドキュメント、LibreOfficeで開けます。
求人票の書き方とポイントを押さえる全体像
求人票は単なる募集広告ではなく、労働条件を求職者に示す書面としての性質を持ちます。職業安定法第5条の3は、労働者の募集を行う者に対し、従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の労働条件を明示するよう定めています。見栄えのよい表現より先に、明示すべき事実を正確にそろえることが出発点です。
![ダウンロード用ファイルの1ページ目:職種名から応募方法までの基本項目11ブロックを順に埋める求人票テンプレート。各ブロックの下に[角括弧]で書き方のヒントがあります。](https://orova.vn/uploads/blog/8cfc9232da2a4677a55c83d8c10ca49f.webp)
下の表は、一般的な求人票に並ぶ項目と、それぞれの書き方のポイントです。記入例はすべて仮定の例です。ダウンロード用テンプレートの11ブロックも、この表と同じ順番で並んでいます。
| 項目 | 書き方のポイント | 記入例(仮定の例) |
|---|---|---|
| 職種名 | 社内呼称や装飾記号を使わず、一般的な職種名+担当領域で書く | 法人営業(既存顧客の深耕/業務用ソフトウェア) |
| 仕事内容 | 日常業務・定期業務・突発業務に分け、使うツールや担当範囲を具体的に書く | 既存顧客への定期訪問と提案書作成、見積書は社内システムで作成 |
| 応募資格 | 必須要件(MUST)と歓迎要件(WANT)を分け、必須は最小限に絞る | 必須:法人営業経験/歓迎:CRMの入力・管理経験 |
| 雇用形態・契約期間 | 正社員・契約社員などの区分、期間の定めの有無、試用期間を書く | 正社員(期間の定めなし)、試用期間3か月(条件変更なし) |
| 給与 | 基本給と手当を分け、固定残業代がある場合は金額・時間数・超過分の扱いを書く | 月給316,000円(基本給256,000円+固定残業手当60,000円/30時間分) |
| 勤務時間・休日 | 始業・終業時刻、休憩、時間外労働の有無、休日を書く | 9:30〜18:30(休憩60分)、土日祝休み |
| 勤務地 | 就業場所と、その変更の範囲を書く | 東京本社、変更の範囲:東京本社および自宅(テレワーク規程による) |
| 福利厚生・社会保険 | 加入する保険の種類と、事実として説明できる制度を書く | 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金 |
| 受動喫煙防止措置 | 就業場所の喫煙対策を書く | 屋内禁煙 |
| 選考プロセス | 書類選考から内定までの段階と面接回数を書く | 書類選考→一次面接→最終面接→内定 |
| 応募方法 | 応募の手段と提出書類を書く | 応募フォームから履歴書・職務経歴書を提出 |
求人票を作成する前の事前準備
書き始める前に、必要な情報を手元にそろえておきます。途中で就業規則や給与テーブルを探しに行くと、記載の整合性が崩れやすくなります。

| 準備するもの | 入手先 | 不足したときに起きること |
|---|---|---|
| 配属部署の業務ヒアリングメモ | 現場マネージャー・直属の上司 | 仕事内容が抽象的になり、スキルのミスマッチが起きやすい |
| 賃金規程・就業規則の最新版 | 人事労務部門 | 固定残業代や手当の内訳にズレが生じる |
| 同職種で活躍している社員の情報 | 人事評価記録・現場への聞き取り | 必須要件と歓迎要件の線引きが曖昧になる |
| 就業場所・異動の可能性に関する社内規定 | 人事労務部門・経営企画 | 「就業場所・業務の変更の範囲」が書けない |
ステップ1:現場へのヒアリングで求人票のペルソナと必須要件を言語化する
このステップでは、配属先の業務課題を掘り下げ、採用したい人物像を具体的な行動のレベルまで言語化します。
現場に「どんな人が欲しいか」と聞くと、「優秀でコミュニケーション能力が高い人」のような曖昧な答えになりがちです。質問は次の3つに絞ります。「今、人手が足りずに遅れている作業は何か」「その作業を一人でこなすために、どんな経験が必要か」「入社3か月後にどんな状態になっていれば合格と言えるか」。成果物は、日常タスクの一覧と、それぞれに必要なスキルを書いた要件メモです。
よくある失敗は、現場の希望をすべて必須要件に入れてしまい、実在しにくい人物像をつくることです。「入社初日から一人でできないと困る要素」だけを必須に残し、それ以外は歓迎要件へ移してください。
仮定の例:従業員40名のソフトウェア会社で、現場リーダーから最初に出た要望は「論理的思考力のある即戦力」でした。担当者が実際の業務の流れを一緒に棚卸ししたところ、「顧客の問い合わせから機能改善の仕様書を一人で起票できる」という行動に言い換えられ、要件メモには「SQLでのデータ抽出経験」と「顧客折衝の経験」が残りました。
ステップ2:法改正に準拠した求人票の必須労働条件を整理する
このステップの目的は、法律で明示が求められている労働条件を漏れなく一覧にすることです。

職業安定法施行規則第4条の2第3項は、書面などで明示すべき事項を定めています。2024年4月の改正では、業務内容と就業場所について「変更の範囲」を含めることが加わりました。主な項目は次のとおりです。
| 明示すべき事項 | 求人票での書き方の要点 |
|---|---|
| 従事すべき業務の内容(変更の範囲を含む) | 入社直後の業務と、将来変わり得る業務の範囲を書く |
| 労働契約の期間 | 期間の定めの有無。有期の場合は更新の基準(上限があれば上限も) |
| 試用期間 | 期間と、試用期間中に条件が変わる場合はその内容 |
| 就業の場所(変更の範囲を含む) | 入社直後の勤務地と、将来変わり得る範囲 |
| 始業・終業時刻、時間外労働の有無、休憩、休日 | 時刻と時間数、休日の決め方 |
| 賃金の額 | 基本給、手当、固定残業代の内訳 |
| 健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用 | 加入する保険を書く |
| 募集者の氏名または名称 | 会社名 |
| 派遣労働者として雇用する場合はその旨 | 該当する場合のみ |
| 受動喫煙を防止するための措置 | 屋内禁煙・喫煙室設置など |
試用期間中の条件が本採用後と異なる場合は、両方の条件を書き分ける必要があります。よくある失敗は、改正前の古い様式を使い回し、「変更の範囲」の欄が空のまま公開してしまうことです。
業務内容・就業場所の変更の範囲に関する表記パターン
変更の範囲を広く書きすぎると、求職者は望まない転勤や配置転換を警戒します。狭く書きすぎると、入社後の配置の柔軟性がなくなります。自社の実態に合わせて、次の3つの書き方から選んでください。
| パターン | 業務内容の変更の範囲 | 就業場所の変更の範囲 |
|---|---|---|
| A:限定なし(総合職など) | 会社の定める業務全般 | 本社・全国の支社・将来新設する拠点、および自宅(テレワーク規程による) |
| B:職種・拠点限定 | Webマーケティング関連業務およびこれに付随する業務に限る | 東京本社および自宅。転居を伴う転勤なし |
| C:キャリアパス提示 | 当初はインサイドセールス。本人の適性と合意によりフィールドセールスまたはカスタマーサクセスへの変更あり | 東京本社(通勤圏内の事業所に限る) |
固定残業代(みなし残業)の透明な計算と表記ルール
固定残業代を採用している場合は、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の金額と対象となる時間数、その時間を超えた分を追加で支払うことを書き分けます。「月給○円(みなし残業代含む)」だけでは、求職者は実際の時給を判断できません。

割増賃金の時間単価は、手当の一部を除いた月給を月平均所定労働時間で割り、割増率を掛けて求めます。以下は仮定の例です。
| 項目 | 曖昧な書き方 | 内訳が分かる書き方(仮定の例) |
|---|---|---|
| 給与 | 月給316,000円〜(みなし残業代含む) | 月給316,000円(基本給256,000円+固定残業手当60,000円) |
| 時間数 | 固定残業代を含む | 固定残業手当は時間外労働30時間分 |
| 超過分 | 記載なし | 30時間を超える時間外労働は1時間あたり2,000円を追加で支給 |
基本給256,000円、月平均所定労働時間160時間とすると、1時間あたりの基礎額は1,600円、時間外の割増率1.25を掛けると2,000円です。30時間分で60,000円となり、表の金額と一致します。自社の数字で同じ検算をしてから掲載してください。
現場の箇条書きメモから求人票の文案をつくり、書類選考の基準までそろえたい場合は、Orova Recruitをお試しください。数行のメモから求人票の文案を作成し(給与や福利厚生はメモに書いた内容だけを反映)、求人票から5つの評価群に分けた選考基準と重み付けを取り出します。基準は担当者が自由に編集でき、合否は担当者が決めます。
ステップ3:求職者の目を引く求人票の職種名と冒頭キャッチコピーを作成する
このステップでは、検索結果の一覧やスマートフォンの最初の画面で伝わる職種名と導入文をつくります。

職種名の欄には社内呼称や装飾語を入れず、求職者が検索しそうな一般的な職種名と担当領域だけを書きます。一覧画面では職種名が途中で切れることがあるため、大事な語は前に置きます。詳細画面の冒頭数行には、仕事の中心、給与の目安、働き方の特徴をまとめます。
よくある失敗は「★未経験歓迎!アットホームな環境で成長できる幹部候補★」のような職種名です。何の仕事か分からず、検索語とも一致しにくくなります。職種名は「法人営業(既存顧客の深耕/SaaS商材)」のように名詞で書き、訴求したい点は導入文へ移してください。
ステップ4:求人票の仕事内容を具体的かつリアルに書き起こす
このステップの目的は、求職者が「自分が働く姿」を想像できるところまで仕事内容を具体化することです。

担当業務を「日常業務」「月次・定期業務」「突発・改善業務」に分けて箇条書きにし、おおよその割合を添えます。1日の流れ(例:9:30朝礼、10:00から商談、14:00から資料作成)や、配属チームの人数、使うツール名(Slack、Notion、Salesforceなど)も書くと、業務の負荷と求められるスキルが伝わります。成果物は、数字と固有名詞が入った仕事内容の原稿です。
よくある失敗は「自社システムの運用管理全般」のような一文で終わらせることです。求職者は負荷の程度を判断できず、応募を見送ります。
仮定の例:従業員120名の製造業で、営業職の求人票に「産業用機械のルートセールス業務全般」とだけ書いていたケースです。採用担当者が現場社員の1日を聞き取り、「1日の訪問は平均3社」「既存取引先と新規開拓は8対2」「見積書は専用システムで作成し、アシスタントがサポート」と書き足しました。現場からは書きすぎを心配する声もありましたが、応募者が自分に合うかどうかを判断しやすい求人票になりました。
ステップ5:求人票の要件から書類選考・面接基準マトリクスへ分解連動させる
求人票に書いた応募資格を、そのまま書類選考の判定項目と面接の質問に分解します。求人票とは別に選考の評価表をつくると、基準がずれやすくなるためです。

スプレッドシートの左列に求人票の要件を貼り付け、「学歴・資格」「ハードスキル」「実務経験」「ソフトスキル」「就業動機」の5つの評価群に分類します。各行に判定基準、重み付け(1〜10)、面接で確かめる質問を書き込みます。テンプレートの4ページ目には、下の表の記入例と、同じ列の記入用の表があります。
| 求人票の記載要件 | 分類と判定基準 | 重み(1〜10) | 面接での確認質問 |
|---|---|---|---|
| 法人営業の経験 | 実務経験:商談を一人で進めた経験(MUST:満たさなければ不合格) | 9 | 「担当商材の単価と、初回接触から受注までの流れを教えてください」 |
| CRMの利用経験 | ハードスキル:入力・パイプライン管理(WANT:加点) | 5 | 「CRMにどんなデータを登録し、どう活用していましたか」 |
| 部門間の連携 | ソフトスキル:開発部門などとの調整(MUST) | 8 | 「技術的な課題が出たとき、エンジニアとどう合意しましたか」 |
| 自社事業への関心 | 就業動機:市場と自社製品の理解(WANT:加点) | 6 | 「当社と競合を比べて、どこに成長余地と課題を感じますか」 |
| 普通自動車運転免許 | 資格:社用車での移動(MUST:保有必須) | 10 | 「日常的に運転していますか」 |
よくある失敗は、全項目を同じ配点にしてしまい、重要度の低い項目で合否が左右されることです。MUSTは「満たさなければ不合格」の足切りとして扱い、WANTに重み付けの差をつけて運用してください。
ステップ6:AIを活用して現場メモから求人票のドラフトを迅速に生成する
このステップでは、現場から集めた箇条書きのメモを材料に、求人票の下書きと選考基準のたたき台を組み立てます。

生成AIを使う場合は、ステップ1の要件メモ数行とあわせて「ステップ2の明示事項をすべて項目として立てる」「固定残業代は内訳を書く」「抽象的な形容詞を避け、行動が分かる動詞で書く」といった条件を指定します。成果物は、求人票の下書きと、それに対応する選考チェック項目の一覧です。
注意したいのは、AIが出した給与額や福利厚生の記述をそのまま使うことです。AIはもっともらしい数字を補うことがあるため、給与、手当、年間休日数などは必ず自社の賃金規程とカレンダーで確認し、手で書き直してください。
ステップ7:求人票の最終推敲と公開前チェックリストで確認する
最後に、完成した原稿をチェックリストに照らし、記載漏れと読みやすさを確認します。掲載先のプレビュー画面を、スマートフォンでも開いて確認してください。同じ14項目は、テンプレートの5ページ目に判定欄つきで収録しています。

| カテゴリ | No | 確認項目 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 明示事項 | 1 | 業務内容と、その変更の範囲が書かれているか | [ ] |
| 明示事項 | 2 | 就業場所と、その変更の範囲が書かれているか | [ ] |
| 明示事項 | 3 | 契約期間・試用期間(有期の場合は更新の基準)が書かれているか | [ ] |
| 明示事項 | 4 | 始業・終業時刻、休憩、時間外労働の有無、休日が書かれているか | [ ] |
| 明示事項 | 5 | 固定残業代の金額・時間数・超過分の支給が書かれ、検算が合っているか | [ ] |
| 明示事項 | 6 | 社会保険の適用と受動喫煙防止措置が書かれているか | [ ] |
| 読みやすさ | 7 | 職種名に装飾記号や社内用語がなく、大事な語が前にあるか | [ ] |
| 読みやすさ | 8 | 冒頭数行で仕事の中心と主要な条件が伝わるか | [ ] |
| 読みやすさ | 9 | 段落が短く、箇条書きが使われているか | [ ] |
| 読みやすさ | 10 | 社内用語や略語に説明がついているか | [ ] |
| 内容 | 11 | 年齢・性別を限定する表現がないか | [ ] |
| 内容 | 12 | 必須要件が「初日から必要なもの」に絞られているか | [ ] |
| 内容 | 13 | 「アットホーム」などの曖昧な表現が具体的な制度や事実に置き換わっているか | [ ] |
| 内容 | 14 | 選考プロセスと面接回数が書かれているか | [ ] |

よくある失敗は、パソコンの画面だけで確認を終えることです。パソコンでは気にならない長い段落も、スマートフォンでは画面が文字で埋まって読まれにくくなります。
Orova Recruitは2027年7月7日まで無料で、クレジットカードの登録も不要です。求人票の作成から、応募書類が各基準を満たすかの照合と根拠となる記述の抜き出し、候補者ごとの面接質問づくりまでを同じ募集ポジションの中で進められます。
求人票作成でよくある失敗と改善策
求人票を運用するなかで起きやすい失敗と、その直し方をまとめました。自社の求人票を見直すときの診断表として使ってください。
| よくある失敗 | 主な原因 | 改善策 |
|---|---|---|
| 応募はあるが、要件に合わない人が多い | 必須要件が抽象的で、誰にでも当てはまる | 「営業経験」ではなく、対象顧客や商材、期間を具体的に書く |
| 閲覧されるのに応募されない | 仕事内容が過酷に見える、給与の内訳や休日が分からない | 1日の流れを載せ、固定残業代の内訳や年間休日数を書く |
| 検索結果で見つけてもらえない | 職種名にキャッチコピーを詰め込んでいる | 職種名を「一般名称+担当領域」に直し、訴求は導入文へ移す |
| 内定後に勤務地や業務内容の食い違いで辞退される | 変更の範囲を事前に示していない | 異動・転勤の有無と範囲を求人票の段階で書く |
| 書類選考の判断が選考官ごとにばらつく | 求人票と連動した基準がない | ステップ5のマトリクスで判定項目を共通化する |
| 入社後に「聞いていた仕事と違う」と言われる | 地道な業務や突発対応を書いていない | 業務の割合を示し、大変な面とそれを支える体制も正直に書く |
求人票公開後の成果測定と効果検証
公開した後は、数値を定期的に確認し、どの段階で応募者が減っているかを見て表現を直します。下の図は、閲覧から内定承諾までの段階を示した仮定の例です。

| 見る指標 | 計算方法 | 確認する場所 | 伸びないときに見直す箇所 |
|---|---|---|---|
| 求人ページの閲覧数 | 期間内の閲覧数 | 求人媒体の管理画面、アクセス解析ツール | 職種名、検索されやすい語の使い方 |
| 応募率 | 応募数÷閲覧数 | 同上 | 仕事内容の具体性、給与・休日の書き方 |
| 書類選考通過率 | 書類通過数÷応募数 | 自社の選考記録 | 必須要件の書き方 |
| 内定承諾率 | 承諾数÷内定数 | 自社の選考記録 | 変更の範囲や働き方の説明 |
今後の求人票作成のトレンド:筆者の視点
求職者が求人票を読む目は年々厳しくなっており、飾った言葉だけの募集要項は通用しにくくなっていると感じます。今後の流れについて、私の見方を3つ述べます。

第一に、求人票は広報用の文章から、社内の職務定義と結びついたデータへと性格を変えていくと私は考えています。残業時間や休日の実績のような客観的な数字を、勤怠管理とは?中小企業の始め方で扱う記録から確かめて書く運用が、信頼される求人票の条件になっていくはずです。
第二に、求職者側もAIを使って求人を比べるようになり、曖昧な表現の多い求人票は候補から外されやすくなるとみています。選ばれるためには、感情に訴える言葉より、確かめられる業務内容と成果の基準を書くことが大切だと思います。
第三に、求人票の要件が入社後の育成計画とつながっていくと考えます。入社時点で足りない歓迎要件を社員研修計画の立て方で示すような研修で補う前提に立てば、必須要件を絞り込みやすくなるからです。ただし、職種別採用が広がらず従来型の雇用が中心のままなら、この変化はゆっくり進むかもしれません。
求人票の書き方とポイントについてのよくある質問
必須要件(MUST)と歓迎要件(WANT)はどのように切り分けるべきですか?
入社初日から必要で、周囲が代わりにできない要素だけを必須要件にします。入社後の研修やマニュアルで身につけられる知識やツール操作は、歓迎要件に分類してください。必須要件を増やすほど、応募できる人は減ります。
求人票に記載してはいけない法律上のNG表現には何がありますか?
労働施策総合推進法により、募集・採用での年齢制限は原則として禁止されています(例外事由あり)。男女雇用機会均等法により、性別を限定する表現(「営業マン募集」など)も原則として使えません。また、最低賃金を下回る給与設定はできず、事実と異なる表示や誤解を招く表示も避ける必要があります。
採用管理システム(ATS)と求人票の連動はどのように行うべきですか?
ATSとは何かを理解したうえで、求人票の項目をATSの入力欄に合わせて設計しておくと、求人票ごとの応募数や選考の進み具合を同じ基準で比べやすくなります。
AIを使って求人票を作成する際、人事が最も注意すべき点は何ですか?
AIは一般的な文章のたたき台をつくるのは得意ですが、自社の組織文化や現場の課題、賃金規程の最新の数字までは判断できません。変更の範囲の書き方や固定残業代の計算は、必ず人事労務の担当者が就業規則と照らして最終確認してください。
求人票の応募効果を高めるために、日々の採用データはどう活用できますか?
データドリブンとは何かを現場で共有し、閲覧数や応募率を定期的に確認する体制をつくってください。「応募が少ないのは閲覧が少ないからか、給与の書き方が伝わっていないからか」を数字で切り分けてから文面を直すと、修正の効果を確かめやすくなります。
求人票の改善はどこから始めるべきか?
自社の状況に合わせて、今日できる最初の一歩を一つ選んでください。
応募がほとんど集まらない場合は、掲載中の求人票の職種名から装飾語や社内用語を外し、求職者が検索しそうな一般的な職種名に変えてください。
応募はあるのに面接で不合格が続く場合は、現場リーダーと短い打ち合わせを設け、「入社3か月で一人でやり切ってほしい作業」を3つ書き出してください。それをステップ5のマトリクスに落とし込み、次の書類選考から使います。
同じ求人票を何年も使い回している場合は、ステップ2の「業務内容・就業場所の変更の範囲」が書かれているか、固定残業代の内訳が正しいかを確認し、足りない項目を追記するところから始めましょう。
どの場合も、Word形式の求人票テンプレートの記入用ページに自社の内容を書き込み、5ページ目のチェックリストで一つずつ確認してから公開すると、記載漏れを防げます。